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美し松の鳥便り No2 りす 2002年 

アカハラの鳴き声はカッコウと共に高原の夏に良くあっています。


 朝のキョロン、キョロンは1日の始まりを、昼のキヨロンはなんとなく眠たくなり、夕暮れて、暗くなった林でいつまでも鳴く声は、誰かを呼んでいるようで哀愁を帯びています。美し松にアカハラが渡ってくるのは夏鳥の中では早く、4月半ば前後で、まだ帰らないツグミと一緒に観察できます。
 気温が上がり、羽虫がたくさん湧き出すとアカハラは一生懸命に走り回って、それは上手に次々と虫をくちばしに挟み、くちばしにはいくつもの虫の羽が飛び出ていっぱいになります。あまりに見事な捕まえっぷりに思わず、ガンバレーと声援を送ってしまいます。 数年前、庭のマユミの幹の又にアカハラが巣を作っているのに気付きました。地上から2メートルぐらいの高さでおわん型、枯れ草などで出来ていました。

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芽吹き前でしたので室内から丸見えでしたが、芽吹くと程よく隠れました。倉庫のそばでしたが近づかないように気を付けました。5月29日、巣の中にうずくまっています。卵を抱いている様子。6月16日、虫をくわえて巣に入る。雛がかえっているらしい。アカハラの巣があるマユミは、テラスに遊びに来るリスの通り道のそばです。

 その日、リスはいつものようにテラスから帰って行きました。アカハラの雄が近くにいたので、どうするのかと見ていますと、

リスと同じように地面をものすごい勢いで走り、リスを追い立てます。アカハラの気迫にリスはびっくりして、マユミのそばをよけて行きました。飛び立ち上から威嚇するのかと思っていた私の予想は見事に外れました。
 6月18日、強い雨が降っています。雛にえさを与えるのを確認する。翼を広げて雨がかからないようにしています。6月23日、前日の夕方親鳥が虫をくわえて巣に入るのを見たが、今日は巣に動きがない。そっと覗くと、もぬけの空、早朝に巣立ったらしいのです。
 無事に大きくなるようにと願いました。